沖縄シーサー協会
沖縄の精神性や伝統文化、首里城火災からの復興のストーリーを将来世代や世界に向けて発信します。
首里城の焼け残った瓦を利用して、史上最大のシーサー「首里城福光シーサー」を制作するプロジェクトも企画中です。
沖縄シーサー協会
代表 あいさつ
私の師匠でシーサー作りの第一人者であった 故・島常賀氏は「シーサーは悪霊を追い払う ”魔除け” だと言われているけれど、”魔除け” ではなく、魔物を浄化する守り神なのだ。よそから魔物(マジムン)がやってきたのを こちらで除けてしまうと、他のところに行ってしまうので、根本的な問題解決にならない。魔物の心をきれいに浄化して、一緒に仲良く暮らすのがよいのだ。だから、シーサーは鬼のような形相ではなく、迫力がある中にも “チムグクル(相手を深く思いやる温かい気持ち)” が込められていなければならない。」と語っていました。
人が幸せに生きるには、みんなで一緒に仲良く暮らす社会の実現が必要不可欠です。沖縄の先人たちの思想や知恵は、シーサーという文化の中にもしっかりと根付いているのです。
また、沖縄の赤瓦屋根に鎮座する漆喰シーサーは、余ってしまった漆喰(屋根と瓦の接着剤)や割れてしまった赤瓦などからつくられているので、実は、シーサーは建築廃材から生まれた守り神なのです。
余ったものから神様を作るという文化は、世界的にも非常に珍しいそうですが、この「リサイクル(単なる再利用)」を超えた「アップサイクル(元の製品よりも次元・価値の高いものへ再利用すること)」は、自然の恵みに感謝して、限りある資源を有効活用してきた先人たちの知恵でもあり、これからの世界でお手本となる考え方だと思います。
2019年に火災に見舞われた首里城の赤瓦は、私が尊敬する瓦職人 故・奥原崇典氏が試行錯誤の末に辿り着いた絶妙な焼き加減の赤瓦でした。その赤瓦を廃棄処分せずに漆喰シーサーに生まれ変わらせた「首里城福光シーサー」は、那覇市長賞をいただきました。子供たちへ沖縄の伝統文化や思想を伝え、首里城の赤瓦を使ったシーサー作りを体験できるワークショップについても、当協会では不定期に実施しています。修学旅行生や企業の組合員(家族)向けのワークショップ開催についてもご要望に応じて開催できますので、ご興味があれば、当協会のお問い合わせフォームよりご連絡下さい。
私の夢は、世界一となる巨大シーサーを首里城の破損瓦を使って制作することです。シーサーの起源をたどっていくと、スフィンクスの作られた古代オリエントにまで行きつきます。宇宙から地球を見たときに、エジプトのスフィンクスと阿吽の対になるような巨大シーサーを沖縄につくり、多くの人が世界中から訪れて、沖縄の先人たちが築いてきた歴史や文化を知り、元気や活力やチムグクルを感じてくれれば嬉しいです。
一般社団法人 沖縄民藝術シーサー協会 一代目会長 宮城 光男
一般社団法人沖縄民藝術シーサー協会
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